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作者:市川保子
「テ形+ください」はpolite request、つまり、丁寧な依頼を表すと言われています。
「すみませんが、窓を開けてください」「そこのこしょうを取ってください」など相手に何かを頼むときに使われます。
「テ形+ください」は2つの意味をもっています。
(1)どうぞゆっくりしていってください。
(2)すみませんが、ちょっと手伝ってください。
(1)は相手に「ゆっくりすること」を勧めており、(2)では手伝ってほしいので、話し手が相手にお願いしています。
このように、「てください」は相手のためになることを勧める意味と、話し手のためになることをお願いする意味とをひっくるめて、「丁寧な依頼」表現と呼んでいます。
言い換えれば「てください」には、(1)のように、相手(聞き手)が利益を得るための依頼と、(2)のように、話し手(または、話し手を含めた人達)が利益を得るための依頼とがあると言えます。
「テ形+ください」は丁寧な依頼を表すと言いながら、「てください」で言い切ってしまうと、語調が非常に強くなり、命令的になります。「窓を開けてください」は相手の有無を言わせず、窓を開けることを強要しています。
「テ形+ください」を丁寧な依頼表現として使う場合は、「どうぞ」を付けたり、語調をやわらげたり、「ませんか」を付けて「手伝ってくださいませんか」を 使ったほうがいい場合も多いです。
少し余談になりますが、私には2歳半になる孫がいます。その孫が2歳頃から少しずつことばを話し始めました。割と早い段階で、自分で開けられない箱を持ってきて、「あけて。」と言ったり、ものを取ってほしいときに、「とって。」と言ったりしていました。この依頼の「~て」が早く口に出るのは、幼児には共通のようで、生活上の必要度から言えば、それは外国人学習者もできるだけ早く口にしたい項目でしょう。
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